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モチハコブカタチ展inカバン博物館

1/30(土)~3/13(土)までの期間、浅草にあるカバン博物館で、「モチハコブカタチ展」が開催されています。

2011年に初開催された、エースと東京藝術大学との共同プロジェクト「エース株式会社デザイン展 モチハコブカタチ」をきっかけに、デザイン科の1年生が作品を発表する企画展。今回で9回目になりました。
カバン博物館館長と弊社東京藝大OBのデザイナーが講師として、作品講評会に参加しています。

今回のテーマは「Post Rucksack」
展示では、学生が考える次世代のモチハコブカタチが表現されています。「10年後、私たちは一体何をモチハコブのか。」ぜひご覧ください!

※10人以上でお越しの場合は、予約が必要となります。

展示風景1

展示風景2

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ここからは、私の独断と偏見で展示の感想を好き勝手に書かせていただきます。興味を持たれた方はご一読いただけますと幸いです。

私も卒業生でして、学生の作品を見ると当時の課題に対しての取り組みや情熱を思い出します。
作品には、その時自分の内側にある考えや想いが全力で表に出るんですね。「作品を見せる=裸を見せる感覚と等しい」と誰かが言っていました。人によっては相当恥ずかしいことみたいですね。

特に、大学1年生が時間をかけて悩み、考え、表現した作品は、とにかくピュアだと思います。それこそ、まだ恥じらいが残っている。
これが卒業する頃には、表現する恥じらいなんてどこかに忘れてきてしまうんですね。でも純粋さ・純真さはしっかり残ります。不思議です。

しかし、ただひたすら個人的感情で作品に向き合っていた学生の頃とは違い、社会人になると毎日仕事で揉まれていくうちに純粋な心を失っていく気が・・・
なので毎回展示を見て、この剥き出しの想いを感じとるようにしています。

さて、今回作品に触れて感じたこと。
「移動の制限によって、持ち運ぶ荷物が減った」
「移動の制限によって、移動そのものの価値観が変化した」

という行動変容・意識変容が感じ取れるなと思いました。

移動の制限によって、持ち運ぶ荷物が減った
みなさんも実感しているのではないでしょうか。
出社制限などで、毎日自宅で仕事をするフルリモートワークが定着している場合は、家から持ち運ぶ荷物もなくなり、散歩のときに小さいカバンを持って行くだけ。学生もリモート授業などもあり、今までの対面授業ではない新しい様式での学びとなっています。

一体、今までどれだけの荷物を持ち運んでいたのだろう。
支払いも電車移動もスマホがあれば全て可能な時代だからこそ、カバンだけが持ち運ぶものではないと気づかされる作品が多くありました。


移動の制限によって、移動そのものの価値観が変化した
ウイルスの脅威に怯える日が続き、終わりが見えません。
市中感染の例もあるし、それでも出社は必要だし、正直恐怖を感じますよね。私は感じています。
でも、いつかはわからないけれど、
今は移動が恐怖だけれど、希望になります。
移動が貴重な存在であったことを体感している今、運ぶ荷物にも想いが込められている作品も多くありました。
荷物が単なる「物」から変化したとき、モチハコブカタチの大きさも併せて変化していく。新しいモチハコブカタチと、モチハコブ物の関係を改めて考えさせられました。

いつか旅に出て、思い出を詰めたカバンをモチハコブ。
いつか想いを込めて選んだ手土産をモチハコブ。
移動の制限がなくなって、会いたい人に会えるようになって、旅行ができるようになって。
10年後、私は何をモチハコブのかを思い描きながら作品を見ていただきたいと思います。

担当:A.K